住宅金融支援機構から任意売却の通知が届いた|業者名を書く前に確認すること

先に、結論をお伝えします

その欄、慌てて埋めないでください。

住宅金融支援機構から届く「任意売却に関する申出書」には、任意売却を仲介する業者について記入する欄があります。

この業者が、物件を調べ、価格を査定し、販売活動を行い、住宅金融支援機構や債権回収会社などへ報告します。

大切な家と、その後の生活に関わる相手です。

だから私たちは、会社名を書く前に、まずこう考えます。

最初に選ぶのは、不動産会社ではありません。

あなたに寄り添い、その後の生活まで一緒に考える「味方となるチーム」です。

業者がまだ決まっていなくても、書類は選択できます

住宅金融支援機構の公式書式には、任意売却を仲介する業者について、次の2つの選択肢があります。

次の仲介業者に決定しました
後日決定します

まだ信頼できる業者が決まっていなければ、公式書式上は「後日決定します」を選ぶことができます。

検索して最初に出てきた会社や、一番高い査定額を出した会社の名前を、慌てて書く必要はありません。

ただし、通知や申出書に提出期限が書かれている場合は、その日付を確認してください。

書類を放置するのではなく、業者を正しく選ぶための時間として使うことが大切です。

住宅金融支援機構も、仲介業者は原則として本人が選定し、大切な資産の売却を任せる相手なので慎重に選ぶよう案内しています。

届いた書類は、何を求めているのか

住宅金融支援機構の任意売却手続きでは、任意売却へ入る前に、本人が仲介業者を選び、「任意売却に関する申出書」を提出する流れになっています。

書式は、返済中の金融機関や住宅金融支援機構の支店などに用意されており、必要事項を記入して返済中の金融機関へ提出します。

書類を前にして、多くの方がこう思われます。

不動産会社なんて、どこを選べばよいか分からない
任意売却を扱う会社なら、どこでも同じなのか
一番高い査定額の会社を選べばよいのか
書類を早く出さなければ、すぐ競売になるのか

分からなくて当然です。

このような書類は、人生で何度も書くものではありません。

封を開けられていない場合も、そのままお持ちください。

私たちと一緒に確認します。

業者欄だけでなく、書類全体を確認してください

住宅金融支援機構の公式パンフレットには、2種類の「任意売却に関する申出書」が掲載されています。

住宅金融支援機構がまだ全額繰上償還請求を行っていない場合は、原則として「期限の利益放棄確認用」の申出書と印鑑証明書を提出する扱いが案内されています。

この書類の提出は、返済を続けることを断念し、毎月分割で返済する権利を放棄する意思表示になると説明されています。

契約時期や加入状況によっては、期限の利益喪失に伴い、団体信用生命保険の保障が終了する場合があることも記載されています。

つまり、確認するのは業者名の欄だけではありません。

どの申出書なのか
期限の利益はすでに喪失しているのか
この書類を提出すると何が変わるのか
団体信用生命保険に影響があるのか
提出期限はいつなのか

を確認してください。

内容を理解しないまま、業者名だけを記入して提出しないことが大切です。

なぜ、業者選びがこれほど大事なのか

選んだ業者は、名前を書いて終わりではありません。

住宅金融支援機構の手続きでは、仲介業者が次の業務を担います。

物件の現地調査
価格査定書の作成
写真や間取りなどの提出
売出価格確認の申請
媒介契約の締結
レインズへの登録
販売活動
販売活動状況の報告
差押債権者や後順位抵当権者などとの調整
購入希望者が現れた後の書類提出
決済と抵当権抹消の準備

住宅金融支援機構とのやり取りの多くを、その業者が担うということです。

どのような査定を行うのか。

どのように販売するのか。

必要書類を期限内に提出できるのか。

住宅金融支援機構へ、どのように販売状況を報告するのか。

その一つひとつが、任意売却を成立させられるかどうかに関わります。

業者名を書く前に確認したい5つのこと
1.今、どの段階にいるのか

まず、届いた書類の日付と提出期限を確認します。

全額繰上償還請求は行われているのか
期限の利益はすでに喪失しているのか
期限の利益放棄確認用の書類なのか
債権回収会社への委託は行われているのか
競売に関する記載はあるのか

現在地が分からなければ、残された時間も分かりません。

2.何を守りたいのか

任意売却の書類が届いても、最初に家を売ることだけを考える必要はありません。

できれば家に住み続けたい
子どもの学校を変えたくない
高齢の親と、あと数年は一緒に暮らしたい
家を手放しても、早く生活を立て直したい
売却後に残る借金をできるだけ少なくしたい
次の住まいを先に確保したい

守りたいものによって、進め方は変わります。

家に住み続けたい場合は、親族による買取りや個人再生などを検討できる可能性があるか、必要な専門家と確認します。

個人再生を利用できるかどうかは、弁護士の判断です。

3.査定額の高さだけで選ばない

一番高い査定額を出す会社が、一番高く売ってくれる会社とは限りません。

業者には、次の金額を分けて説明してもらってください。

査定額
希望する売出価格
住宅金融支援機構などが確認・通知する売出価格
現実的な想定成約価格
売れなかった場合の見直し価格

住宅金融支援機構の手続きでは、仲介業者の査定価格を機構などが確認したうえで、売出価格が通知されます。

確認・通知された価格を下回って買主を見つけても、抵当権の抹消に応じてもらえない場合があります。

「高く売れます」という言葉だけで決めず、価格の根拠と販売計画を確認してください。

4.できることと、できないことを分けて話してくれるか

住宅金融支援機構の案内では、状況に応じて、売却代金から仲介手数料や抵当権抹消登記費用などを控除できる場合があります。

残債務の状況などによっては、延滞損害金減額の相談に応じてもらえる場合もあります。

どちらも「必ず」ではありません。

次のような説明には注意してください。

必ず引越費用が出ます
必ず延滞損害金を減らせます
必ずこの価格で売れます
必ず競売を止められます
必ず家に住み続けられます

できる可能性があることと、約束できることを分けて説明してくれる会社を選んでください。

5.売却後の生活まで一緒に考えてくれるか

売却はゴールではありません。

次にどこへ住むのか
いつ引っ越すのか
売却後に債務はいくら残るのか
残った債務をどう返済するのか
法的な債務整理を確認する必要があるのか
家族の生活をどう立て直すのか

ここまで一緒に考えてくれるかどうかが、大きな違いです。

住宅金融支援機構のパンフレットでも、任意売却後に債務が残る場合、破産免責を受けている場合などを除き、返済義務が残ると説明されています。

任意売却後の返済計画については、生活状況などを踏まえて、返済可能な金額を決めていくとされています。

最初に探すのは、不動産会社ではありません

不動産会社は、物件の査定や販売に強い。

弁護士は、借金の整理や法的手続きに強い。

司法書士は、登記に強い。

税理士は、税金に強い。

どれが正しいという話ではありません。

役割が違います。

しかし、相談者ご本人が、それぞれの専門家を一人ずつ探し、最初から事情を説明して回るのは大変です。

一般社団法人士業会では、相談者が専門家を回るのではなく、必要な専門家がその方のために集まる形を大切にしています。

最初に選ぶのは、不動産会社ではありません。

あなたの人生を一緒に考える、味方となるチームです。

業者名を書く前の段階だからこそ、まだ複数の方法を比べることができます。

正直に申し上げます|私たちだけでは決められないこと

売出価格の確認と通知を行うのは、住宅金融支援機構または業務を受託する債権回収会社などです。

任意売却を認めるか、抵当権抹消に応じるかを判断するのも債権者です。

任意売却が成立する見込みがないと判断された場合、競売手続きへ進む可能性があります。

延滞損害金を減額してもらえるかどうかも、住宅金融支援機構などの判断です。

個人再生や自己破産を利用できるか、どの法的手続きが適切かを判断するのは弁護士です。

私たちは、できることと、できないことを分けてお伝えします。

そのうえで、必要な専門家と一緒に、できる限りの方法を考えます。

何社かに話を聞いてから決めて構いません

公式書式には「後日決定します」という選択肢があります。

一社目に話を聞いた会社の名前を、その場で書く必要はありません。

説明を比べてください。

査定額だけでなく、価格の根拠を説明するか
売れなかった場合について説明するか
住宅金融支援機構の必要書類を理解しているか
定期的な販売報告ができるか
できないことを正直に伝えるか
売却後の生活について話すか
ご本人が守りたいものを聞くか

名前や肩書き、検索順位だけで決める必要はありません。

自分と家族の力になってくれる人かどうか。

そう考えて選んでください。

よくある質問
業者名を今すぐ書かなければなりませんか

住宅金融支援機構の公式書式には、

「次の仲介業者に決定しました」
「後日決定します」

という2つの選択肢があります。

まだ決まっていなければ「後日決定します」を選択できます。

ただし、書類の提出期限や今後の手続きは確認してください。

住宅金融支援機構が業者を紹介してくれますか

公式パンフレットでは、仲介業者は原則として本人が選定するとされています。

お手元の案内に個別の説明がある場合は、その内容も確認してください。

申出書へ署名すると、何が変わりますか

提出する書式によって異なります。

「期限の利益放棄確認用」の申出書は、返済継続を断念し、毎月分割で返済する権利を放棄する意思表示になると案内されています。

契約時期や団体信用生命保険の加入状況によっては、保障終了に関係する場合もあるため、書類全体を確認してください。

一番高い査定額の会社を選べばよいですか

査定額だけで決めないでください。

売出価格は住宅金融支援機構などの確認を受ける必要があります。現実的な成約価格と販売方法を説明できる会社か確認してください。

業者を途中で変更できますか

住宅金融支援機構のパンフレットでは、必要書類を提出しない、所定の報告をしない、不適切な事務処理があるなどの場合、仲介業者の変更を促すことがあるとされています。

ご自身から変更を希望する場合は、住宅金融支援機構、金融機関または債権回収会社などの担当窓口へ確認してください。

相談すると、その会社へ依頼しなければなりませんか

いいえ。

相談は依頼ではありません。

何社かの説明を比べるための相談でも構いません。

最後に

業者名を書く欄は、小さな欄です。

しかし、そこへ誰の名前を書くかで、この先の道のりは変わります。

誰に相談するか。

誰を味方につけるか。

それによって、見える選択肢は変わります。

だから、焦って会社名を書く必要はありません。

ただし、書類に期限が記載されている場合は、その日付だけは先に確認してください。

そして、もし私たち以上にあなたへ寄り添い、その後の生活まで一緒に考えてくれるチームと出会えたなら、迷わずそちらを選んでください。

専門家コメント

住宅金融支援機構の申出書には、仲介業者を「後日決定します」という選択肢があります。

業者がまだ決まっていないことと、書類を放置することは違います。

まず期限と書類の意味を確認し、そのうえで、大切な家と今後の生活を任せられる相手を選んでください。

専門家コメント 宅地建物取引士 松本

相談窓口

その業者欄、まだ空欄で構いません。

住宅金融支援機構から届いた書類を、そのままお持ちください。

その欄に誰の名前を書くか。私たちと一緒に考えます。

プロフェッショナルを、あなたの味方に。

相談は無料です。相談したからといって、依頼する必要はありません。

無料電話相談:0120-802-001

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相談は、依頼ではありません。

まだ何も決めていなくても構いません。
家を売るかどうか、今ここで決める必要もありません。

うまく説明できなくても大丈夫です。
あなたが今、止まっているところから一緒に確認します。

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