任意売却を始めたのに買い手が見つからないとき、まず「価格を下げましょう」だけで終わらせないでください。確認したいのは、販売の反応、建物の状態、債権者と確認した価格、残された時間です。売れない理由が違えば、打つ手も違います。
1.問い合わせがないのか、内覧後に断られるのか
まず掲載状況、閲覧・問い合わせ・内覧の記録を見ます。問い合わせ自体がなければ、相場からの価格のずれや見せ方を検討します。内覧後に止まるなら、室内の保存状態、設備の不具合、買主が住むために必要な工事とその費用を確認します。同じ「売れない」でも、債権者へ説明する材料が変わります。
2.市場の価格と、債権者が確認した価格の差はどれくらいか
査定額、売出価格、現実に成約が見込める価格を分けます。債権者が確認した売出価格が周辺の成約相場とかけ離れている場合、販売が進まない理由を数字と現地の状態で示す必要があります。単に「高すぎます」と言うだけでは足りません。
特に、前の担当者との間で価格が決まっていると、会社を替えたからといって価格が自動で変わるわけではありません。債権者が変更を認めるかが重要です。変更が認められない場合もあります。
3.家の状態を、買う人の目線で見ているか
写真では分からない雨漏り、設備の故障、長く手を入れていない部分があれば、買主は購入価格とは別に工事費を考えます。どの工事が必要で、おおよそいくらかかるのかを整理し、相場との関係も含めて債権者と話す材料にします。工事を先に発注するという意味ではありません。
4.債権者との協議と残り時間はどうなっているか
いつ、誰に、どの資料を示し、何を確認したのか。価格の見直しを相談できるのか。差押えや後順位の担保権があるなら、その関係者の条件はどうか。売却に向けた手続きと競売の進行を並べ、今できることを確かめます。債権者によって判断は異なり、協議を続けても競売に進む場合があります。
5.売れなかった場合の生活まで説明されているか
任意売却は必ず成立するものではありません。次に住む場所、引越しに必要な資金、売却後に残る住宅ローン、競売になった場合の暮らしも、早い段階で考えておきます。売ることだけを仕事の終わりにしません。
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株式会社エルライフ 代表取締役 松本


