結論
住宅ローンを2か月滞納したからといって、直ちに家を失うわけではありません。
ただし、1回目の滞納とは状況が変わり始めています。
金融機関からの電話や書面が増え、未払い分をまとめて支払うよう求められることがあります。契約内容や金融機関によって進み方は異なりますが、このまま連絡を避け続けると、分割で返済できる権利を失い、一括請求や代位弁済へ進む可能性があります。
今すぐ売却を決める必要はありません。
しかし、何も決めないまま時間だけが過ぎる状態は避けたいところです。
2か月滞納の段階で一緒に確認したいのは、次の4つです。
- 今、誰から、どのような連絡や書類が届いているか
- 未払い分を解消すれば、今後も返済を続けられるか
- 自宅を売却した場合、住宅ローンがどれだけ残るか
- 家や家族の生活について、何を守りたいか
この記事では、住宅ローンを2か月滞納したときに起きていることと、まだ残されている選択肢を順番に整理します。
住宅ローンを2か月滞納すると、何が変わるのか
1回目の引き落としができなかった直後は、金融機関から入金の案内や確認の連絡が来ることがあります。
2回目の返済日も支払えなかった場合、金融機関側では「一時的な入金忘れ」ではなく、返済を継続できない可能性がある状態として扱われることがあります。
一般的には、次のような変化が考えられます。
- 電話、郵便、メールなどの連絡が増える
- 未払いとなっている返済額と遅延損害金等の支払いを求められる
- 督促状や催告書などの書面が届く
- 今後の返済予定について説明を求められる
- 契約内容によっては、次の手続きに関する案内が記載される
ただし、「2か月滞納すれば必ずこの書類が届く」という一律の決まりではありません。
金融機関、保証会社、住宅ローンの契約内容、これまでの返済状況によって、連絡の時期や書類の名称は異なります。
そのため、インターネット上の一般的な日程だけで判断するのではなく、実際に届いている書類の本文を確認することが重要です。
まだ競売ではありません。ただし、先送りはしない方がいい段階です
2か月滞納した時点で、すでに競売で家が売られるという意味ではありません。
一方で、「まだ2か月だから大丈夫」と考え、連絡や郵便を見ないままにするのも危険です。
住宅ローンの問題は、ある日突然すべてが変わるように見えて、実際には段階を追って進みます。
返済の遅れ、督促、催告、期限の利益の喪失、一括請求、保証会社による代位弁済、さらに法的手続きへと進む可能性があります。
このうち、どの時点で次の段階に移るかは一律ではありません。
だからこそ、「何か月滞納したか」だけではなく、届いている書類に何が書かれているかを一緒に確認する必要があります。
2か月滞納の段階は、まだ複数の方法を比べられる可能性がある一方、何もしない時間が選択肢を減らし始める時期です。
まず、届いている封筒をそのまま確認します
書類を開けるのが怖い。
金融機関からの電話に出られない。
家族にも言えていない。
そのような状態になる方は少なくありません。
全部を理解してから相談する必要はありません。封を開けていない封筒があれば、そのままでも構いません。
一緒に確認するのは、主に次の内容です。
- 差出人は銀行、保証会社、債権回収会社のどこか
- 書類の表題は何か
- 未払い額はいくらか
- 支払期限はいつか
- 期限を過ぎると何が起きると書かれているか
- 連絡先と担当部署はどこか
内容が分かれば、今いる段階が見えます。
段階が分かれば、何から考えるべきかを整理できます。
未払い分を払えるかだけでなく、その後も続けられるかを考えます
2か月分の未払いを用意できるかどうかは重要です。
ただし、それだけで決めない方がよい場合があります。
例えば、親族から借りて2か月分を支払えても、翌月から再び不足するのであれば、問題を1か月先へ送っただけになることがあります。
一緒に確認したいのは、次の3つです。
- 未払い分を解消できる見込み
- 来月以降の毎月返済を続けられる見込み
- 収入が回復する具体的な時期
病気からの復職時期が決まっている、売掛金の入金が確定しているなど、一時的な問題であれば、金融機関へ返済方法を相談できる可能性があります。
一方、収入減少が続く、事業の回復時期が見えない、他の借入れで住宅ローンを払っているという状態なら、家計だけではなく不動産も含めて整理する必要があります。
私たちは、最初から「売りましょう」とは考えません。
住み続けられる可能性があるのか。売却した方が生活を立て直せるのか。今はまだ判断を保留すべきなのか。数字を確認してから一緒に考えます。
金融機関へ連絡するときに伝えること
金融機関からの電話に出ることは、責められる場へ行くことではありません。
担当者も、現在の状況と返済の見込みを確認する必要があります。
うまく説明できなくても、次の内容が分かる範囲で伝えられれば構いません。
- 返済が遅れた理由
- 現在用意できる金額
- 次に収入が入る時期
- 今後の返済を継続できそうか
- 返済方法について相談したいこと
できない約束をする必要はありません。
「○日までに必ず払います」と伝えても、その見込みがなければ、あとでさらに話しにくくなります。
現状を正直に伝え、どのような手続きや相談方法があるのかを確認します。
売ると決める前に、4つの数字を分けて確認します
不動産会社へ査定を依頼すると、高い査定額が提示されることがあります。
しかし、住宅ローンの問題を考えるときは、査定額だけでは判断できません。
次の4つを分けて確認します。
- 査定額
- 実際に売り出す価格
- 現実的に成約が見込める価格
- その価格で売れなかった場合の出口
そして、住宅ローン残高、滞納額、税金や管理費等の未払い、売却に必要な費用も確認します。
自宅が住宅ローン残高より高く売れる見込みなら、通常の売却で整理できる可能性があります。
売却価格より住宅ローン残高が多くなる見込みでも、それだけで「売れない」とは限りません。債権者との調整を前提に、任意売却を検討できる場合があります。
ただし、任意売却に応じてもらえるか、売却価格や条件がどうなるかは、私たちだけで決められることではありません。債権者など関係者の判断が必要です。
良い話だけで決めず、できること、できないこと、相手の判断が必要なことを分けて考えます。
2か月滞納の段階で考えられる主な選択肢
状況によって、検討する方法は異なります。
1.
未払いを解消して返済を継続する
一時的な資金不足で、今後の収入見込みがある場合に考えます。未払い分だけでなく、その後の返済が継続できるかまで確認します。
2.
金融機関へ返済方法を相談する
返済額や返済期間の見直しなどを相談できる場合があります。希望すれば必ず認められるものではなく、条件や審査は金融機関によって異なります。
3. 通常の不動産売却を検討する
売却代金で住宅ローンを完済できる見込みがある場合は、通常の売却で解決できる可能性があります。
4. 任意売却を検討する
売却代金だけでは住宅ローンを完済できない見込みでも、債権者の同意を得て売却できる場合があります。
5. 法的な整理を含めて相談する
住宅ローン以外の借入れも多く、売却後も生活の立て直しが難しい場合は、弁護士など法律の専門家と法的整理を検討することがあります。
どれか一つを、今すぐ選ぶ必要はありません。
まず、どの方法が現実的に残っているかを並べてから考えます。
これは避けたい、2か月滞納時の行動
金融機関からの連絡をすべて無視する
電話に出るのが怖くても、連絡を避け続けると、状況や希望を伝える機会を失います。
カードローンや高金利の借入れだけで穴を埋める
一時的に住宅ローンを払えても、借金全体が増え、翌月以降の返済がさらに難しくなることがあります。
査定額の高さだけで不動産会社を決める
売れない価格で時間を使うと、選択肢が減る可能性があります。想定成約価格と、売れない場合の出口まで確認します。
「必ず住み続けられる」「必ず引越し代が出る」という説明だけで契約する
任意売却の条件には債権者等の判断が必要なものがあります。誰が決めるのか、できなかった場合はどうなるのかまで確認してください。
家をどうするかより先に、何を守りたいかを確認します
住宅ローンの相談は、家を売るか残すかだけの問題ではありません。
高齢の親とあと数年一緒に住みたい。
子どもが卒業するまでは転校させたくない。
復職できれば返済を再開できる。
数年後に受け取れる資金がある。
家族に知られず、まず自分だけで状況を整理したい。
守りたいものは、人によって違います。
その希望を知らないまま、数字だけを見て売却を勧めることはできません。
今の家に住み続ける方法を探すのか。売却後の生活を早く整えるのか。何を優先するかによって、選ぶ方法は変わります。
株式会社エルライフと一般社団法人
士業会の考え方
株式会社エルライフは不動産会社です。
しかし、不動産会社だから最初に売却を勧める、という考え方ではありません。
まず、相談者の人生と生活をどう立て直すかを考えます。
住宅ローンの問題には、不動産だけでなく、残債、税金、離婚、相続、次の住まい、法的整理などが関係することがあります。
一般社団法人
士業会には、弁護士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士など、異なる専門分野を持つ仲間がいます。
単に専門家を紹介して終わるのではなく、必要に応じて一人の相談者の問題を違う角度から考えます。
売らずに済むなら、その方法を考える。
売却が必要なら、売った後の生活まで考える。
法律の判断が必要なら、適切な専門家と一緒に考える。
私たちは、その順番を大切にしています。
専門家コメント 宅地建物取引士 松本
住宅ローンを2か月滞納すると、ご本人は「もう手遅れかもしれない」と思われることがあります。
しかし、この時点で確認できること、考えられることはまだあります。
一方で、何もしないまま時間が過ぎると、選べた方法が選べなくなることがあります。
だから私は、売却を決めてからではなく、まだ迷っている段階で相談していただきたいと思っています。
相談は、依頼ではありません。
封を開けていない書類があっても構いません。住宅ローンの残高が分からなくても構いません。
まず、今どこにいるのか。
そして、何を守りたいのか。
そこから一緒に整理します。
よくあるご質問
Q1.
2か月滞納すると、すぐ競売になりますか?
2か月滞納しただけで直ちに競売になるという一律の決まりではありません。ただし、金融機関や契約内容によって進み方は異なります。届いている書類の差出人、表題、期限、次に行うと書かれている手続きを確認することが重要です。
Q2.
2か月分をまとめて払えば元に戻りますか?
現在の契約状況や金融機関の対応によります。未払い分や遅延損害金等を含め、いくら支払えばよいかを金融機関へ確認してください。また、支払った後に毎月の返済を継続できるかも一緒に考える必要があります。
Q3.
金融機関へ連絡するのが怖いです。何を話せばいいですか?
返済が遅れた理由、現在用意できる金額、次の収入時期、今後の返済見込みを、分かる範囲で伝えます。できない約束をする必要はありません。書類や連絡内容を一緒に整理してから連絡することもできます。
Q4.
相談したら、家を売ることになりますか?
いいえ。相談は売却の依頼ではありません。住み続ける方法、通常売却、任意売却、法的整理など、残っている選択肢を確認するためのものです。
Q5.
家族に話していなくても相談できますか?
まずご本人だけで相談することもできます。ただし、実際の手続きを進める場合は、所有名義や住宅ローンの契約関係によって、ご家族や関係者の協力が必要になることがあります。
まとめ
住宅ローンを2か月滞納しても、直ちに家を失うわけではありません。
しかし、1回目の滞納より状況が進み、金融機関からの連絡や書面が増える可能性があります。
この段階で大切なのは、慌てて売却を決めることではありません。
今いる段階を確認し、返済を続けられる可能性、自宅を売った場合の数字、そして守りたい生活を一緒に整理することです。
何を相談すればよいか分からなくても構いません。
まだ何も決めていなくても構いません。
封を開けていない封筒を、そのままお持ちいただいても構いません。
まず、今どこにいるのかを確認するところから始めます。
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