任意売却業者・不動産会社はどう選べばいい?

結論

正直に申し上げます。

一般の方が、任意売却を扱う会社の実力を細かく見抜くのは、簡単ではありません。

ホームページには、

「実績○件」

「成功率○%」

「地域No.1」

など、いろいろな言葉が並びます。

口コミもあります。

ただ、

それだけで本当に自分に合う会社なのかを判断するのは難しいと思います。

だから、

全部を見抜こうとしなくて大丈夫です。

私たちなら、まず次の3つを見ます。

  1. 売らない選択肢も、本当に検討してくれるか
  2. その会社の仕事にならない方法でも、提案してくれるか
  3. 専門外のことは、きちんと他の専門家につないでくれるか

そしてもう一つ。

「それは誰が決めるのですか?」

という質問に、きちんと答えられるか。

ここも大切です。


なぜ、会社選びが難しいのか

任意売却について検索すると、

「業者選び10のポイント」

「失敗しない不動産会社の選び方」

という記事がたくさん出てきます。

書いてある内容自体は、参考になると思います。

でも、

実際に住宅ローンを滞納し、

督促状や催告書が届き、

家族のことや仕事のことまで抱えている状態で、

10項目、15項目を何社にも確認できるでしょうか。

すでに疲れている方に、さらに宿題を増やしたくありません。

だからこの記事では、

最低限ここだけ見てほしい

というところに絞ります。


実績の数だけでは決めないでください

「任意売却実績○千件」

「相談件数○万件」

こうした数字は、会社選びの参考にはなるかもしれません。

ただ、

その数字だけで、目の前の担当者が自分の人生を考えてくれるかどうかまでは分かりません。

大きな会社だから安心。

件数が多いから安心。

小さな会社だから不安。

そう単純ではありません。

任意売却は、

家を売る技術だけの問題ではない

からです。

住宅ローン。

残債。

税金。

家族。

離婚。

相続。

次の住まい。

その後の生活。

いくつもの問題が重なります。


見てほしいポイント1

売らない選択肢も、本当に検討してくれるか

任意売却を相談したからといって、

必ず任意売却をする必要はありません。

たとえば、

家を売れば住宅ローンを完済できるのであれば、

通常売却で済む可能性があります。

まだ返済条件を見直せる段階なら、

金融機関へ相談するほうがいい場合もあります。

住み続ける方法を検討できる方もいます。

だから、

相談した最初から、

「では任意売却しましょう」

だけで話が進むなら、

一度立ち止まってもいいと思います。

まず聞いてほしいのは、

「売らずに済む方法はありますか?」

です。


見てほしいポイント2

自分の仕事にならない方法でも、提案してくれるか

不動産会社は、

基本的に不動産売買が成立したときに仲介手数料を受け取ります。

つまり、

売らなければ、仕事にならない場合があります。

それでも、

「今は売らないほうがいいと思います」

「まず金融機関に相談したほうがいいです」

「法律の問題が先です」

と言えるかどうか。

ここは大切です。

その人が“売物件”を見ているのか、相談者を見ているのか。

違いが出やすいところだと思っています。


見てほしいポイント3

専門外なら、別の専門家につないでくれるか

住宅ローンの問題には、

不動産以外の問題が重なることがあります。

  • 他の借金
  • 税金の滞納
  • 差押え
  • 離婚
  • 相続
  • 共有名義
  • 法律問題

これらを、不動産会社だけで全部判断することはできません。

税金なら税理士。

法律なら弁護士。

登記なら司法書士。

必要に応じて、その分野の専門家が必要です。

だから、

専門外のことを、分かったように答えないか。

必要なら別の専門家につないでくれるか。

ここを見てください。


「それは誰が決めるのですか?」と聞いてみてください

任意売却では、

不動産会社だけでは決められないことがたくさんあります。

たとえば、

  • 任意売却に応じるか
  • 売却価格や売却条件
  • 抵当権を抹消する条件
  • 引越し費用などを認めるか
  • 売却後の残債の返済条件
  • 税金の差押え解除

こうしたことには、

債権者。

金融機関。

保証会社。

行政。

その他の関係者。

それぞれの判断があります。

だから、

「引越し代は必ず出ます」

「絶対に任意売却できます」

「うちなら全部何とかなります」

という説明を聞いたら、

一度、

「それは御社が決められることですか?」

と聞いてみてください。

仕組みを説明してくれる相手のほうが、安心だと思います。


高い査定額と、高く売れることは別です

ここも大切です。

不動産会社によって、査定額は違います。

当然、

高い査定を出してくれた会社のほうが魅力的に見えます。

でも、

高い査定額を出したことと、その価格で実際に売れることは別です。

大切なのは、

「いくらで売り出せるか」

だけではありません。

「現実的に、いくらくらいで、どの程度の期間で売れると考えているのか」

です。


私たちは、4つを分けて説明します

査定を見るときは、できれば次の4つを分けて考えてください。

項目 内容
査定額 調査した結果としての評価
売出価格 実際に市場へ出す価格
想定成約価格 現実に成約すると考えている価格
売れなかった場合の出口 値下げ、買取、別の方法など

この4つは同じではありません。

特に任意売却では、

債権者等との調整も必要になります。

だから、

高く出せばいい

という話ではありません。

時間との関係もあります。


「売れなかった場合」を聞いてください

ここは、とても重要です。

売り出した。

でも売れなかった。

そのとき、

どうするのか。

値下げするのか。

買取も検討するのか。

別の方法へ切り替えるのか。

出口まで説明してくれる会社か。

そこを見てください。

任意売却は、

時間が無制限にあるわけではありません。

だから、

売れなかったときまで含めて計画すること

が必要です。


媒介契約について

不動産会社へ正式に売却を依頼する場合、

媒介契約を結びます。

主に、

  • 専属専任媒介
  • 専任媒介
  • 一般媒介

という種類があります。

種類によって、

他の不動産会社にも依頼できるかなどが違います。

ただ、

名前だけ覚える必要はありません。

大切なのは、

自分が何を契約するのかを理解してから署名することです。

契約期間。

他社にも依頼できるのか。

途中でやめたい場合はどうなるのか。

費用が発生する場面はあるのか。

分からなければ、

その場で聞いて構いません。

他社の契約書を持って相談いただいても構いません。


「今日決めてください」と言われたら

任意売却には時間の問題があります。

ですから、

本当に急ぐ必要がある場合もあります。

だから、

「急がせる会社=悪い会社」

とも限りません。

ただ、

理由を説明せず、

「今日決めてください」

だけなら、

こう聞いてください。

「なぜ今日なんですか?」

今どの段階なのか。

何日までに何をしないといけないのか。

何の手続きに時間がかかるのか。

理由を説明できるか。

そこが大切です。


DMや訪問が来ることがあります

競売などの手続きが進んだあと、

不動産会社からDMが届いたり、訪問を受けたりすることがあります。

突然なので、

「どこから自分のことを知ったの?」

と驚かれる方もいます。

不動産に関する登記情報など、制度上確認できる公開情報をもとに営業しているケースがあります。

ただし、

DMが来たから悪い会社。

訪問してきたから悪い会社。

とは一概には言えません。

見るべきなのは、

説明が十分か。

不安を必要以上にあおっていないか。

その場で契約を迫らないか。

です。


客観的に確認できることもあります

全部を感覚で判断する必要はありません。

事実として確認できる部分もあります。

宅地建物取引業の免許

不動産の売買仲介を業として行うには、宅地建物取引業の免許が必要です。

会社のホームページや事務所などに、免許番号が表示されています。


行政処分等の情報

行政処分などについて、公的な情報から確認できる場合があります。

気になる会社があるなら、

一緒に確認しても構いません。


実際に会える場所があるか

住宅ローン問題では、

通知。

契約書。

登記。

住宅ローン資料。

税金関係の書類。

さまざまな書類を確認することがあります。

だから、

必要なときに、

書類を見ながら話せる場所があるか

ということも、一つの判断材料だと思います。


一人で全部見抜かなくていい

ここまで読んで、

「結局、確認することが多いやん」

と思われたかもしれません。

そのとおりです。

だから、

全部を一人で調べなくていい。

と思っています。

たとえば、

他社で査定してもらった。

本当にこの金額でいいのか分からない。

契約を勧められている。

説明が正しいのか分からない。

今の会社を変えるべきか分からない。

その状態のままで相談して構いません。

一緒に整理します。

そして、

確認した結果、

「今の会社でそのまま進めて問題ないと思います」

となることもあります。

その場合は、そうお伝えします。

乗り換えていただくことが目的ではありません。


私たちが一番大切にしていること

私たちは不動産会社です。

でも、

最初から売却ありきでは考えません。

売らないほうがいい方もいます。

金融機関へ相談したほうがいい方もいます。

専門家に先に相談すべき方もいます。

売却したほうが、その後の生活を立て直しやすい方もいます。

大切なのは、

私たちの仕事になるかではありません。

今のあなたにとって、

何が一番いいのか。

です。


士業会とも連携しています

住宅ローンの問題は、

不動産だけでは終わらない場合があります。

だから私たちは、一般社団法人 士業会とも連携しています。

必要に応じて、

弁護士。

司法書士。

税理士。

行政書士。

土地家屋調査士。

など、それぞれの専門家と考えます。

ただし、

相談者を専門家の仕事に当てはめるのではありません。

先に相談者の人生があります。

そのうえで、

必要な専門家を集める。

それが私たちの考え方です。


相談は、依頼ではありません

ここは、はっきりお伝えします。

相談したからといって、

売却を依頼する必要はありません。

その場で契約する必要もありません。

他社にも相談して構いません。

説明を聞いて、

比べて、

ご自身で選んでください。

正式に売却を依頼するときは、媒介契約などの手続きがあります。

相談と依頼は別です。


私たちに決められないこと

任意売却には、

私たちだけでは決められないことがあります。

  • 任意売却に債権者等が応じるか
  • 売出価格や売却条件
  • 抵当権抹消の条件
  • 引越し費用等を認めてもらえるか
  • 売却後の残債返済条件
  • 税金の差押え解除
  • 買主がいつ現れるか

だから、

「うちなら全部大丈夫です」

とは申し上げません。

できること。

できないこと。

誰が決めるのか。

そこを分けて説明します。


専門家コメント 宅地建物取引士 松本

会社選びについて聞かれたとき、

私は、

「実績の数字だけで選ばなくてもいいですよ」

と申し上げます。

なぜなら、

相談される方が本当に知りたいのは、

その会社が何件やったかより、

自分のことを本当に考えてくれるのか

だと思うからです。

私が見るのは、

できないことを、「できない」と言えるか。

です。

任意売却では、

不動産会社だけでは決められないことがたくさんあります。

債権者の判断。

行政の判断。

専門家の判断。

買主の判断。

それなのに、

「全部任せてください」

「必ず大丈夫です」

だけでは、

あとから話が違うことになりかねません。

そして、

住宅ローンの問題では、

あとで会社を選び直そうと思ったときに、

時間が残っていないことがあります。

だから、

良い話だけではなく、できないことまで聞いてください。

ただし、

全部を一人で確認する必要もありません。

判断できなければ、

その状態のまま相談してください。

他社で言われた内容を、一緒に確認することもできます。

そして、

今お願いしている会社で問題がないなら、

そのまま進めてください

とお伝えします。

乗り換えてもらうことが、目的ではありません。


よくあるご質問

Q1.実績が多い会社を選べばいいですか?

実績も参考材料の一つです。

ただし、実績数だけでは分からない部分もあります。

売らない方法も検討するか、できないことを正直に言うか、専門外なら専門家につなぐか。

そこも見てください。


Q2.DMや訪問がたくさん来ます。断ってもいいですか?

構いません。

すべての会社と話す必要はありません。

説明を聞く場合も、その場で契約する必要はありません。


Q3.査定額が一番高い会社を選ぶべきですか?

必ずしもそうではありません。

大切なのは、

実際にいくらで成約すると考えているのか。

そして、

売れなかった場合にどうするのか。

まで説明しているかです。


Q4.「今日契約してください」と言われました

本当に急ぐケースもあります。

だから、

「なぜ今日なのですか?」

と聞いてみてください。

具体的な期限や手続きについて説明できるかを確認してください。


Q5.すでに別の不動産会社へ依頼しています。それでも相談できますか?

できます。

今の進め方が適切か確認するだけでも構いません。

必ず乗り換えを勧めるわけではありません。


Q6.契約書を見ても意味が分かりません

そのまま持ってきてください。

他社との媒介契約書でも構いません。

内容を一緒に整理します。


Q7.結局、どこがいい会社なのか判断できません

それで構いません。

何に迷っているのかから、一緒に整理します。


まとめ

  • 任意売却会社の実力を、一般の方がすべて見抜くのは簡単ではありません
  • 見るポイントはまず3つ
  • 売らない選択肢も検討するか
  • 自分の仕事にならない方法も提案するか
  • 専門外なら専門家につなぐか
  • 「それは誰が決めるのですか?」に答えられるか
  • 高い査定額と、高く売れることは別
  • 査定額・売出価格・想定成約価格・売れなかった場合の出口を分けて見る
  • 媒介契約は内容を理解してから
  • 「今日決めて」と言われたら、なぜ今日なのかを確認する
  • DMや訪問そのものだけで良し悪しを決めない
  • 相談は依頼ではありません
  • 他社へ相談しても構いません
  • 判断できなければ、その状態のままで大丈夫です
  • 一緒に整理します

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他社から査定を出してもらったが、妥当か分からない。

媒介契約を勧められている。

今の会社で本当にいいのか分からない。

そんなご相談も承っています。

乗り換えていただくことを前提にした相談ではありません。

確認した結果、

今お願いしている会社で問題がないのであれば、

そのようにお伝えします。

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最後に

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それは普通だと思います。

初めて経験することなのに、

会社の実力。

査定。

債権者との調整。

媒介契約。

全部を見抜いてくださいと言われても、難しいと思います。

だから、

完璧に会社を見抜こうとしなくていい。

まず、

この人は、

売らない方法も考えてくれるか。

自分の仕事にならない方法も話してくれるか。

分からないことを、分からないと言えるか。

必要な専門家につないでくれるか。

そこを見てください。

そして、

それでも分からなければ、

分からないままで構いません。

一人で決める必要はありません。

私たちに相談していただいて、

結果として別の会社を選ばれても構いません。

大切なのは、

どこの会社が仕事を取るかではありません。

相談された方の人生が、少しでも良い方向へ進むことです。

そのために、

一緒に整理していきます。

相談は、依頼ではありません。

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家を売るかどうか、今ここで決める必要もありません。

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