競売開始決定通知が届いた 残り時間の測り方と、間に合う条件

結論

競売開始決定通知が届いても、その瞬間に家を失うわけではありません。

でも、

「まだ時間があるから大丈夫」

とも言い切れません。

ここから大切なのは、

残り時間を感覚ではなく、具体的な日付で見ることです。

そして、

任意売却が間に合うかどうかは、買主が見つかるかだけでは決まりません。

債権者との調整。

売却条件。

差押え。

必要書類。

契約。

決済。

全部を終えられる時間が残っているか。

そこまで見ます。


競売開始決定通知とは

住宅ローンなどの返済問題が解決せず、

債権者が裁判所へ競売を申し立てると、

裁判所から、

競売開始決定通知

などの書類が届くことがあります。

ここまで来ると、

競売が「可能性」ではなく、実際の手続として始まった

と考えてください。


まず、封筒を捨てないでください

怖くて、

見たくない。

開けたくない。

その気持ちは分かります。

でも、

ここからは書類の日付が大切です。

封筒も含めて、

全部残してください。


最初に見るのは「日付」です

通知が届いたら、

まず見るのは、

いつの書類なのか。

そして、

今後、

どんな日程が予定されているのか。

です。

競売は、

「いつか進む」

のではありません。

具体的な日程で進みます。


競売の流れ

一般的には、

競売開始決定。

現況調査。

評価。

物件情報の公開。

期間入札。

開札。

売却許可。

代金納付。

という流れで進みます。

ただし、

実際の日程は事件ごとに違います。

だから、

「競売開始決定から何ヶ月」

だけで判断しないでください。


「あと何ヶ月」ではなく「あと何日」

私は、

競売開始決定通知が届いた方には、

「あと何ヶ月ありますか」ではなく、「あと何日ありますか」

と考えていただきたいです。

なぜなら、

1ヶ月という言葉だけでは、

実際に使える時間が見えにくいからです。


開札日だけを見ても足りません

ここは大切です。

「開札日まではまだ2ヶ月ある」

それだけで安心しないでください。

任意売却は、

開札日の前日に買主を見つければ終わり、

というものではありません。

買主が見つかる。

売買条件を固める。

債権者と調整する。

必要な承諾を取る。

契約する。

決済準備をする。

そこまでの時間が必要です。


私なら、最後から逆算します

競売が進んでいる場合、

私は、

最後から逆算します。

いつまでに決済が必要か。

そのために、

いつまでに売買契約が必要か。

そのために、

いつまでに買主を決める必要があるか。

そのために、

いつから販売しないといけないか。

後ろから見ます。


任意売却が間に合う条件

「私の場合、任意売却は間に合いますか」

よく聞かれます。

私は、

必ず間に合います

とは言いません。

見るのは、

大きくこの5つです。


1.残された時間

まず、

時間です。

十分な販売期間があるか。

調整の時間があるか。

契約・決済まで進められるか。

ここを見ます。


2.家の価格

次に、

不動産価格です。

相場とかけ離れた価格では、

買主が見つかりにくくなります。

だから、

いくらなら売れる可能性があるか。

現実的に見ます。


3.債権者との調整

任意売却は、

不動産会社だけで決められません。

売却条件。

抵当権。

配分。

場合によっては、

複数の債権者。

調整が必要です。


4.差押えの有無

税金などの差押えがあれば、

さらに調整が必要になる場合があります。

住宅ローンだけ見ていればいい、

というわけではありません。


5.買主が見つかるか

最後は、

買主です。

どれだけ準備ができても、

買主が見つからなければ売却できません。

だからこそ、

販売に使える時間を残すことが大切です。


競売開始決定が来たら、もう任意売却しかないのか

いいえ。

競売開始決定=必ず任意売却

ではありません。

ただし、

ここまで来ているなら、

今後の選択肢を早く整理する必要があります。

家を売るのか。

通常売却で完済できるのか。

任意売却が必要なのか。

法的整理も必要なのか。

数字と時間を見て決めます。


まず、家の価格を出します

例えば、

住宅ローン残高が2,000万円。

家が2,500万円で売れそう。

なら、

売却費用を確認したうえで、

通常売却で整理できる可能性があります。

逆に、

残債2,500万円。

家が1,700万円。

なら、

売却しても債務が残る可能性があります。

同じ競売開始決定でも、答えは違います。


「今すぐ契約してください」と言われたら

競売が進んでいる場合、

その日に媒介契約をお願いすることもあります。

でも、

見るべきなのは、

急がせるかどうかではありません。

なぜ今日動く必要があるのかを説明できるか。

です。


こう聞いてください

相談したら、

この質問をしてください。

「なぜ今日、動く必要があるのですか」

そして、

「私は、あと何日ありますか」

さらに、

「その日までに、何を終わらせる必要がありますか」

ここまで聞いてください。


「一度考えます」でも構いません

もちろん、

持ち帰って考えても構いません。

でも、

何を考えたいのか。

そこを整理してください。

会社が不安なのか。

家を売る決心がつかないのか。

家族に話せていないのか。

費用なのか。

他社と比較したいのか。

迷いの中身が分かれば、整理できます。


比較しすぎて時間を失わないでください

2社、3社に相談することは構いません。

でも、

10社回ってから決める

が目的にならないでください。

競売は、

こちらが比較している間も進みます。

大切なのは、

何社見たかではなく、誰を信頼して任せられるか。

です。

任意売却は、誰に任せるか|私なら、こういう基準で選びます


競売開始決定通知が届くまでの流れ

ここまでの記事を順番につなぐと、

住宅ローン滞納。

督促。

催告。

期限の利益喪失。

一括請求。

代位弁済。

そして、

競売開始決定

という流れになる場合があります。


前の段階の記事はこちら

住宅ローンを滞納するとどうなる|1日目から起きることの全部

催告書が届いた|督促状と何が違い、残り時間はどう変わるのか

「一括で返してください」と通知が来た|期限の利益の喪失とは何か

代位弁済の通知が届いた|交渉する相手が変わった、という意味です


現況調査が来たら

競売手続が進むと、

執行官などによる現況調査が行われることがあります。

この段階になると、

競売はさらに具体的に進んでいます。

だから、

「現況調査が来たから終わり」

と諦めるのでもなく、

「まだ開札前だから大丈夫」

と安心するのでもありません。

書類と日程を確認します。


入札が近い場合

入札期間が近づいているなら、

時間はさらに限られます。

任意売却を検討するなら、

買主探しだけでなく、

関係者との調整を終える時間まで必要です。

だから、

この段階では、

1週間の差が大きくなることがあります。


家族にまだ話していない方へ

競売開始決定通知まで来ているのに、

家族にまだ話せていない方もいます。

責めません。

言えなかった理由があるはずです。

でも、

ここからは、

次の住まい。

引越し。

学校。

仕事。

家族の生活。

現実的な準備も必要になる可能性があります。

まず、

今の状況を正確に知ってください。

そのうえで、

どう話すかを一緒に考えればいいのです。


自己破産を先に決めないでください

競売開始決定通知が来ると、

「もう自己破産しかない」

と思う方もいます。

でも、

最初から決める必要はありません。

家がいくらなのか。

売却後、

いくら債務が残るのか。

他の借金はいくらなのか。

収入はどうなのか。

まず数字を出します。

必要なら、

その後、

弁護士と法的整理を考えます。


不動産だけでは解決できないことがあります

競売まで進んでいる方は、

住宅ローン以外にも、

税金。

他の借金。

離婚。

共有名義。

相続。

などの問題が重なっている場合があります。

そのとき、

不動産会社一社だけでは、

全部を判断できません。

だから、

必要なら、

弁護士。

司法書士。

税理士。

など、

専門家と一緒に考えます。


誰に相談するか

時間が少ないからこそ、

誰に相談するかは大切です。

実際に誰が動くのか。

そして、

その人の後ろに、どんな仲間がいるのか。

そこまで見てください。

任意売却は、どこに相談すればいいのか|会社ではなく担当者を見る7つの視点


私たちに決められないこと

ここも、

正直に書きます。

任意売却に応じてもらえるか。

売出価格。

差押え解除。

引越し費用。

残債の返済条件。

買主がいつ見つかるか。

競売手続がどこまで進むか。

法的整理が必要か。

私たちだけでは決められません。

だから、

「絶対間に合います」

とは申し上げません。


でも、できることはあります

今の書類を見る。

日程を見る。

家の価格を見る。

債務額を見る。

差押えを見る。

必要な専門家を見る。

そして、

今できる選択肢を整理する。

これはできます。


今日していただきたいこと

競売開始決定通知が届いているなら、

今日、

これだけしてください。

1.書類を出す

封筒も一緒に。

2.日付を見る

いつの通知か。

3.裁判所名を見る

どこの裁判所か。

4.事件番号を見る

書類に記載がある場合は、

確認してください。

5.相談する

「競売開始決定通知が届きました」

それだけで構いません。


最後に

競売開始決定通知が届くと、

「家を取られる」

という言葉しか頭に入らなくなると思います。

でも、

その瞬間に、

すべてが決まったわけではありません。

ただし、

時間は確実に進んでいます。

だから、

怖がっているだけではなく、

まず、

自分の残り時間を知ってください。

そして、

家はいくらなのか。

住宅ローンはいくら残っているのか。

差押えはあるのか。

何ができるのか。

誰と話す必要があるのか。

一つずつ確認してください。

任意売却が間に合う場合もあります。

間に合わない場合もあります。

だから、

「絶対大丈夫」

とは言いません。

でも、

今より明日のほうが、時間は少なくなります。

急いで家を売るのではありません。

急いで、自分の現在地を知る。

そして、

一緒に考えてくれる味方を見つける。

そこからです。

一般社団法人 士業会 代表理事
株式会社エルライフ 代表取締役
松本 淳一

不動産の仕事に携わって40年近く。住宅ローンの返済に困った方のご相談に携わって30年以上になります。


よくあるご質問

Q1. 競売開始決定通知が届いたら、もう家は売れませんか。

一律には言えません。

任意売却などを検討できる場合もあります。

ただし、

残された時間と手続状況の確認が必要です。


Q2. 競売開始決定通知が届いたら、すぐ家を出ないといけませんか。

通知が届いたその日に、

直ちに退去するという意味ではありません。

競売手続はその後も段階を踏んで進みます。

まず日程を確認してください。


Q3. 開札日までなら任意売却できますか。

必ずできるとは言えません。

買主探しだけでなく、

債権者との調整や、

契約・決済準備などの時間も必要です。


Q4. 現況調査が来たら、もう遅いですか。

それだけで一律に判断できません。

ただし、

競売手続が進んでいる段階です。

できるだけ早く状況を確認してください。


Q5. 競売を止めることはできますか。

状況によって異なります。

任意売却が成立するなど、

結果的に競売手続の取り下げ等につながる場合もありますが、

不動産会社だけで自由に止められるものではありません。


Q6. 自己破産すれば競売は止まりますか。

一律にそうとは言えません。

法的手続については、

個別の状況を確認したうえで、

弁護士に相談してください。


Q7. 家族にまだ言っていません。相談できますか。

はい。

まずご本人だけで、

現在の状況を確認することもできます。

その後の進め方を一緒に整理します。


まとめ

  • 競売開始決定通知が届いても、その日に家を失うわけではない
  • ただし、競売手続は実際に始まっている
  • 「あと何ヶ月」ではなく、あと何日かを見る
  • 開札日だけでなく、契約・決済まで逆算する
  • 任意売却が間に合うかは、時間・価格・債権者・差押え・買主で変わる
  • 競売開始決定=必ず任意売却ではない
  • 現況調査や入札が近づくほど、時間は少なくなる
  • 比較しすぎて時間を失わない
  • 「なぜ今日動く必要があるのか」を聞く
  • 「絶対間に合う」とは言えない
  • まず、現在地と残り時間を知る
  • そして、本当の味方を見つける

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  • 自己破産しかないのか不安
  • 家族にまだ話せていない
  • 次にどこへ住めばいいか分からない

最後に

競売開始決定通知が届いたら、

怖くて当たり前です。

でも、

一番避けてほしいのは、

怖いから見ない。

分からないから待つ。

この二つです。

通知が届いたら、

まず、

日付を見てください。

そして、

残り時間を確認してください。

次に、

家の価格。

住宅ローン残高。

差押え。

家族。

次の住まい。

必要な専門家。

一つずつ整理します。

任意売却が間に合うかもしれません。

間に合わないかもしれません。

でも、

確認しなければ、その判断すらできません。

だから、

急いで決断するのではなく、

急いで、自分の現在地を知ってください。

そして、

その状況を一緒に考えてくれる、

本当の味方を見つけてください。