結論
代位弁済されても、住宅ローンがなくなったわけではありません。
ここが一番大切です。
保証会社などが金融機関へ支払いをしたことで、
今まで返していた相手から、請求してくる相手が変わった。
まずは、そう考えてください。
そして、この段階まで来たら、
時間を無駄にしないでください。
ただし、
「すぐ任意売却してください」
という意味ではありません。
まず、
今どこまで進んでいるのかを確認する。
そこからです。
代位弁済とは何か
住宅ローンには、
保証会社が付いている契約があります。
返済が続けられなくなり、
契約上の条件を満たすと、
保証会社などが金融機関へ支払いを行う場合があります。
これが、
代位弁済です。
住宅金融支援機構の保証型の仕組みでも、住宅ローン利用者が返済不能となった場合に金融機関へ保険金を支払う仕組みが設けられています。
借金が消えたわけではありません
ここを勘違いしないでください。
例えば、
住宅ローンが2,000万円残っている。
保証会社が銀行へ支払った。
だから、
2,000万円がなくなった。
という話ではありません。
今度は、
保証会社などから返済を求められることになります。
相手が変わった。
これが重要です。
銀行から連絡が来なくなっても安心しないでください
代位弁済が行われると、
それまで住宅ローンを返していた銀行との関係が変わる場合があります。
すると、
一時的に、
銀行からの連絡が減ったように感じることがあります。
でも、
問題が終わったわけではありません。
次は、
保証会社。
債権回収会社。
などから通知が届くことがあります。
通知が届いたら、最初に見る4つ
難しい文章を全部理解する必要はありません。
まず見るのは、
この4つです。
- 誰から届いたのか
- いくら請求されているのか
- 支払期限はいつなのか
- 今後の手続について何と書かれているのか
これだけでも、
今の状況がかなり分かります。
「求償権」という言葉が出てくることがあります
通知の中に、
求償権
という言葉が出てくる場合があります。
難しく見えますが、
簡単に言えば、
代わりに払った側が、本人へ返してくださいと求める権利
と考えてください。
ですから、
保証会社が銀行へ支払っても、
債務そのものが自動的になくなるわけではありません。
代位弁済されたら、元の分割払いに戻れるのか
よく聞かれます。
でも、
必ず元の住宅ローン返済に戻れるとは言えません。
契約。
債権者。
これまでの経緯。
現在の状況。
それぞれ違います。
だから、
「元に戻せます」
「もう絶対戻せません」
と一般論だけで決めないでください。
届いた書類を見て確認します。
ここから、任意売却を考える方が増えます
代位弁済まで進むと、
毎月の住宅ローンを元どおり払い続ける、
という話だけでは整理しにくくなってきます。
そこで、
家を売ればいくらになるのか。
残債はいくらなのか。
売却しても借金が残るのか。
数字を確認します。
まず、家の価格を確認します
例えば、
住宅ローン等の残債が2,000万円。
家が2,400万円ほどで売れそう。
この場合は、
売却費用などを確認したうえで、
通常売却で整理できる可能性があります。
逆に、
残債2,500万円。
家が1,700万円。
なら、
売却しても債務が残る可能性があります。
同じ代位弁済でも、答えはまったく違います。
だから、いきなり任意売却とは決めません
私は、
「代位弁済されたから任意売却です」
とは考えません。
まず数字です。
家はいくらなのか。
債務はいくらなのか。
差押えはあるのか。
税金は滞納していないか。
他の借金はあるのか。
それを確認してから方法を考えます。
ただし、時間は大切です
代位弁済まで進んでいるなら、
「半年ぐらい考えてから」
という感覚では動かないほうがいいと思います。
今後、
担保不動産についての手続や、
競売の申立てなどへ進む可能性があります。
だから、
急いで家を売るのではありません。
急いで、現在地を確認する。
ここが大切です。
→ 任意売却は、時間との勝負です|どれくらいの期間が必要なのか
「あと何日ありますか」と聞いてください
相談したら、
この質問をしてください。
「私は、あとどれくらい時間がありますか」
そして、
「次に何が起きる可能性がありますか」
ここまで聞いてください。
「まだ大丈夫です」
だけではなく、
なぜ大丈夫なのか。
そこまで説明してくれる人を選んでください。
競売になる前に確認しておきたいこと
代位弁済されたからといって、
翌日に競売で家を失う、
という話ではありません。
でも、
返済問題が解決しなければ、
担保不動産について法的手続が進む可能性があります。
ですから、
まだ裁判所から何も来ていないから大丈夫
とも限りません。
今の時間を使って、
状況を整理してください。
税金の差押えがないか確認します
住宅ローンだけを見てはいけません。
固定資産税。
住民税。
その他の税金。
滞納がある場合、
不動産に差押えが入っていることがあります。
任意売却をするなら、
住宅ローン側だけでなく、関係者との調整が必要になる場合があります。
他の借金も一緒に見ます
カードローン。
消費者金融。
事業資金。
クレジットカード。
他にも債務があるなら、
家だけ売れば解決するのか。
そこも考えなければなりません。
必要なら、
弁護士など法律の専門家と一緒に考えます。
自己破産を最初から決める必要はありません
代位弁済通知が来ると、
「もう自己破産しかない」
と思う方もいます。
でも、
まだ数字も出していないのに、
結論を決める必要はありません。
家を売ったら、
いくら債務が残るのか。
他の借金はいくらなのか。
収入はいくらあるのか。
まず確認します。
そのうえで、
法的整理が必要なら、
弁護士と考えればいいのです。
「任意売却」と「自己破産」は同じ話ではありません
任意売却は、
不動産をどう整理するか
という話です。
自己破産などは、
債務全体をどう整理するか
という法律上の話です。
関係はあります。
でも、
同じものではありません。
だからこそ、
不動産会社だけで全部決めないことが大切です。
家族にまだ話していない方へ
代位弁済という言葉を見ても、
家族には何と説明すればいいか分からないと思います。
それで構いません。
まず、
自分が理解するところからで大丈夫です。
今、
何が起きているのか。
次に何が起きるのか。
方法は何があるのか。
それを整理してから、
家族と話すこともできます。
「代位弁済通知が来ました」で十分です
相談するときに、
難しい説明はいりません。
「代位弁済の通知が届きました」
それだけで大丈夫です。
書類を見ながら、
こちらから確認します。
分からない言葉を、
全部覚える必要はありません。
書類は封筒ごと残してください
今回の代位弁済通知だけではなく、
その前に届いた書類も残してください。
督促状。
催告書。
期限の利益喪失通知。
一括請求。
保証会社からの書類。
時系列で見ると、今の段階が分かりやすくなります。
今までの流れをつなげると
住宅ローンを滞納する。
督促や催告が来る。
期限の利益を失う。
一括請求になる。
そして、
代位弁済へ進む場合があります。
今まで作ってきた記事も、
この順番でつながっています。
→ 住宅ローンを滞納するとどうなる|1日目から起きることの全部
→ 催告書が届いた|督促状と何が違い、残り時間はどう変わるのか
→ 「一括で返してください」と通知が来た|期限の利益の喪失とは何か
誰に相談するかも大切です
代位弁済まで進むと、
不動産だけの話ではなくなる場合があります。
債権者との調整。
税金。
差押え。
残債。
法律。
次の住まい。
だから私は、
会社名だけではなく、実際に誰が動くのか。
そこを見ます。
そして、
その人の後ろに誰がいるのか。
そこも見ます。
→ 任意売却は、誰に任せるか|私なら、こういう基準で選びます
私たちに決められないこと
ここも、
最初にお伝えします。
任意売却に応じてもらえるか。
売出価格。
差押えの解除。
引越し費用。
残債の返済条件。
買主がいつ見つかるか。
法的整理が必要か。
私たちだけでは決められません。
だから、
「絶対大丈夫です」
とは申し上げません。
その代わり、
誰が決めることなのかを説明します。
今日していただきたいこと
今日、
家を売る決断をする必要はありません。
まず、
代位弁済通知を出してください。
日付を見る。
送り主を見る。
金額を見る。
支払期限を見る。
そして、
住宅ローンの残高と、
家のおおよその価格を確認してください。
まず、それだけです。
最後に
代位弁済という言葉を見ると、
「もう取り返しがつかない」
と思うかもしれません。
でも、
ここで大切なのは、
言葉の怖さではありません。
今の状況を正しく知ることです。
銀行へ返していた。
今度は、
別の相手から請求を受ける。
まず、
その変化を理解してください。
そして、
家はいくらなのか。
債務はいくらなのか。
時間はどれくらいあるのか。
何ができるのか。
一つずつ確認してください。
代位弁済されたから、
人生が終わったわけではありません。
でも、
何もしないまま、
時間だけを過ごすのはおすすめしません。
早く売るのではなく、
早く、自分の状況を知る。
そして、
一緒に考えてくれる味方を見つける。
そこからです。
一般社団法人 士業会 代表理事
株式会社エルライフ 代表取締役
松本 淳一
不動産の仕事に携わって40年近く。住宅ローンの返済に困った方のご相談に携わって30年以上になります。
よくあるご質問
Q1. 代位弁済とは何ですか。
保証会社などが、
住宅ローンを貸している金融機関へ支払いを行うことです。
ただし、債務がなくなったという意味ではありません。
Q2. 代位弁済されたら住宅ローンは消えますか。
いいえ。
その後は、
保証会社などが返済を求める側になる場合があります。
返す相手が変わったと考えると分かりやすいです。
Q3. 代位弁済されたら、すぐ競売ですか。
翌日に必ず競売になる、
という話ではありません。
ただし、
問題が解決しなければ、
担保不動産について次の手続へ進む可能性があります。
早めに現在の段階を確認してください。
Q4. 代位弁済されたら任意売却しかありませんか。
いいえ。
まず、
住宅ローン等の残債と、
不動産価格を確認します。
通常売却で整理できる場合もあります。
Q5. 銀行にもう一度払えば元に戻りますか。
一律には言えません。
契約や現在の債権者、
手続の状況によって異なります。
届いた書類を個別に確認する必要があります。
Q6. 自己破産したほうがいいですか。
最初から決める必要はありません。
まず、
不動産を整理した場合に、
どれくらい債務が残るのかを確認します。
そのうえで、
必要なら弁護士と検討します。
Q7. 家族に言わず相談できますか。
まずご本人だけで、
状況を確認することはできます。
専門家などとの情報共有が必要な場合には、
内容をご説明したうえで進めます。
まとめ
- 代位弁済されても、債務がなくなるわけではない
- 大きく言えば、返済を求める相手が変わる
- 銀行から連絡が減っても、解決したとは限らない
- 通知が来たら、送り主・金額・期限・今後の手続を見る
- 家の価格と債務残高を確認する
- 代位弁済=必ず任意売却ではない
- 税金の差押えや他の借金も確認する
- 自己破産ありきで考えない
- この段階では時間を大切にする
- 早く売るのではなく、早く現在地を知る
- 最後は、誰を味方につけるか
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- 住宅ローンを滞納するとどうなる|1日目から起きることの全部
- 催告書が届いた|督促状と何が違い、残り時間はどう変わるのか
- 「一括で返してください」と通知が来た|期限の利益の喪失とは何か
- 競売開始決定通知が届いた|残り時間の測り方と、間に合う条件
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いくら残っているのか。
家はいくらなのか。
時間はどれくらいあるのか。
そこから確認します。
方法を決めるのは、
その後です。
任意売却ありきでも、
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そして、
あなたの側で一緒に考えてくれる人を見つける。
そこから始めてください。



