任意売却は、時間との勝負です どれくらいの期間が必要なのか

任意売却は、時間との勝負です どれくらいの期間が必要なのか

結論

任意売却は、早く相談した人ほど有利です。

ただし、

「早く契約してください」

と言いたいわけではありません。

私がお伝えしたいのは、

時間があるほど、選べる方法が増える。

ということです。

任意売却は、買主を見つければ終わりではありません。

債権者との調整。

売出価格の確認。

買主探し。

売却代金の配分。

抵当権や差押えの調整。

売買契約。

決済。

引渡し。

一つの売却を終えるまでに、いくつもの人と手続きが関わります。

だから、

「まだ大丈夫」

と何もしない時間が、いちばんもったいないのです。


ただし、急ぐことと、焦って決めることは違います

ここを最初にお伝えしておきます。

急ぐことと、焦って会社を決めることは、まったく違います。

時間がないからといって、

「今日中にここへ決めなければ」

と焦る必要はありません。

でも、

「また来週考えよう」

「もう少し調べてからにしよう」

と何週間も過ぎてしまうのも、私はおすすめしません。

なぜなら、

任意売却では、やり直す時間そのものが大切だからです。

価格が合わなければ、再度調整する。

買主が見つからなければ、販売方法を考え直す。

差押えがあれば、その調整をする。

関係する債権者が複数いれば、それぞれと話をする。

時間があれば、もう一手打てます。

時間がなくなれば、

本来なら試せた方法が、試せなくなります。

そして時間がないからこそ、

誰に任せるか

が重要になります。

任意売却は、誰に任せるか|私なら、こういう基準で選びます


任意売却には、何に時間がかかるのか

「任意売却には時間がかかります」

とだけ言われても、分かりにくいと思います。

ですから、実際に何をするのかを並べます。


1.今の状況を確認する

まず確認するのは、

  • 住宅ローンの残高
  • 滞納状況
  • 債権者
  • 保証会社
  • 差押えの有無
  • 税金滞納の有無
  • 競売手続きが始まっているか
  • 裁判所からどんな書類が来ているか

です。

ここを間違えると、その後の判断が全部ずれます。

同じ「住宅ローンが払えない」という状況でも、

まだ滞納していない方。

1ヶ月滞納している方。

催告書が届いている方。

代位弁済まで進んでいる方。

競売開始決定通知が届いている方。

では、

残された時間も、選べる方法も違います。


2.不動産の価格を調べる

次に、

「この家はいくらで売れそうなのか」

を調べます。

そして、

「売ったら住宅ローンはいくら残るのか」

を確認します。

ここで初めて、

通常売却で解決できるのか。

任意売却を検討する必要があるのか。

売らない方法を考えられるのか。

方向が見えてきます。

任意売却をするかどうかを決める前に、まず数字を見る。

私は、この順番が大切だと思っています。


3.債権者と売却条件を確認する

任意売却は、不動産会社だけで進められるものではありません。

売却価格。

売却にかかる費用。

抵当権の抹消。

差押えがある場合の取り扱い。

売却代金の配分。

さまざまな場面で、

債権者や関係者との確認・調整が必要になります。

つまり、

「この金額で売りたい」

と売主や不動産会社だけで決めて終わるわけではありません。

だから、

確認と調整の時間が必要になります。


4.買主を探す

ここで、ようやく一般の不動産売却と同じように販売活動に入ります。

広告を出す。

問い合わせを受ける。

内覧してもらう。

条件を調整する。

買主を決める。

ここは、何日で見つかると約束できません。

1週間で買主が現れることもあります。

時間がかかることもあります。

だからこそ、

販売に使える時間をできるだけ多く残すことが大切です。


買主が見つかっても、終わりではありません

ここが、一般の方には分かりにくいところだと思います。

「買いたい人が見つかった。では契約して終わり」

ではありません。

任意売却では、その条件で売却を進められるか、

関係者との確認や調整が必要になる場面があります。

抵当権。

後順位の債権者。

税金の差押え。

売却代金の配分。

抹消に必要な手続き。

関係者が増えるほど、確認する相手も増えます。

だから私は、

買主を探す時間だけを見てはいけない

と思っています。

買主が決まった後にも、

終わらせなければならない仕事がある。

そこまで含めて逆算する必要があります。


競売は、こちらの都合で止まって待ってくれません

一方で、

競売の手続きは進みます。

競売の手続きが進めば、

期間入札。

開札。

売却許可。

代金納付。

と、その先の手続きへ進んでいきます。

ですから、

「競売開始決定通知が来たから、もう終わり」

でもありません。

反対に、

「開札日までなら、いつでも余裕で任意売却できる」

でもありません。

この二つは、どちらも違います。

大切なのは、

自分の場合、今どこまで進んでいるのか。

そして、

実際にあとどれくらいの時間があるのか。

そこを確認することです。


「あと何日ありますか」と聞いてください

裁判所から書類が届いている方は、

相談したときに、必ず聞いてください。

「私は、あと何日ありますか」

そして、

「その日までに、何を終わらせる必要がありますか」

ここまで聞いてください。

「まだ大丈夫ですよ」

だけでは足りません。

何を根拠に大丈夫なのか。

いつまでに買主を決めるのか。

いつまでに各調整を終えるのか。

いつまでに決済する必要があるのか。

そこまで説明してもらってください。


私なら、最後の日から逆算します

競売手続きが進んでいる方であれば、

私はまず日程を見ます。

そして、

最後の日から逆算します。

いつまでに決済が必要なのか。

そのためには、いつまでに売買契約が必要なのか。

そのためには、いつまでに買主を決めなければならないのか。

そのためには、いつから販売を始めなければならないのか。

後ろから逆算します。

「まだ何ヶ月ある」

ではありません。

実際に販売や調整に使える日数は、あと何日あるのか。

そこを見るのです。


訪問したその日に、媒介契約をお願いすることもあります

ここは、隠さず書きます。

私たちは、訪問したその日に媒介契約をお願いすることがあります。

でも、

理由もなく、

「今日決めてください」

とは言いません。

まず、

今どの段階なのか。

あとどれくらい時間があるのか。

いつまでに何をしなければならないのか。

それをご説明します。

そして、

正式に依頼を受けてからでなければ、本格的な債権者との調整を進められない場面があります。

だから、

「今日から動かせてください」

とお願いすることがあります。


「契約を急がせる会社はやめたほうがいい」は、私は違うと思います

インターネットには、

「契約を急がせる会社は避けましょう」

と書かれていることがあります。

私は、それだけでは判断できないと思っています。

なぜなら、

本当に急がなければ間に合わない案件があるからです。

見るべきなのは、

急がせるか、急がせないかではありません。

なぜ急ぐ必要があるのかを、説明できるか。

です。

理由も言わず、

「今日契約してください」

なら、一度立ち止まってください。

でも、

「この日までにここまで進める必要があります」

「そのためには、この日までに買主を決めたいです」

「だから、今日から販売を始めたいです」

と説明されたなら、

その説明を聞いたうえで判断してください。


「一度持ち帰って考えます」でも構いません

もちろん、

「一度持ち帰って考えたい」

と言っていただいて構いません。

でも私は、そのときに一つ聞きます。

「何を考えたいですか」

です。

会社が信用できるか。

家を売る決心がつかないのか。

家族に話していないのか。

他社と比較したいのか。

費用が心配なのか。

迷っている理由によって、整理する内容が違うからです。

住宅ローンや任意売却は、

多くの方にとって初めての経験です。

分からないことを、

分からないまま一人で考えても、

答えが出ないことがあります。

だからこそ、プロがいるのです。

持ち帰ることが問題なのではありません。

分からないまま時間だけが過ぎることが問題です。


比較するなら、「何社回ったか」より「納得できたか」

複数の会社に相談すること自体は、悪いことではありません。

でも、

3社、5社、10社と回ることが目的にならないでください。

比較するために1ヶ月使って、

その間に競売の手続きが進んでしまえば、本末転倒です。

私なら、

納得できるまで質問します。

そして、

この人、このチームなら任せられる

と思えたら、そこで動きます。

会社の数を比べることより、

誰を自分の味方につけるのか。

私は、そこが大切だと思っています。


相談するとき、この7つを聞いてください

どの会社に相談しても構いません。

私たちでなくても構いません。

ただ、

何を聞けばいいのか分からない

という方のために、相談の場で使える質問を別の記事にまとめました。

任意売却は、どこに相談すればいいのか|会社ではなく担当者を見る7つの視点

特に、

「それは、誰が決めるのですか」

そして、

「私の場合、間に合わない可能性はありますか」

この2つは聞いてみてください。


時間があると、何が変わるのか

早く相談すると、

必ず任意売却が成功する

という意味ではありません。

でも、時間があれば、

売らない方法を検討できるかもしれない。

価格を調べる時間がある。

家族と話す時間がある。

債権者と調整する時間がある。

買主を探す時間がある。

条件が合わなければ、もう一度考える時間がある。

専門家に相談する時間がある。

選択肢を検討する時間があります。

これが大きいのです。


時間がなくなると、何が起きるのか

反対に、時間がなくなると、

一つずつ選択肢が消えていきます。

もっと高く売れる買主を待ちたい。

でも待てない。

家族ともう少し話したい。

でも待てない。

別の方法も検討したい。

でも待てない。

債権者ともう一度条件を調整したい。

でも待てない。

最後は、「選ぶ」のではなく、「残った方法を取る」状態になってしまいます。

私は、それをできるだけ避けたいのです。


だから、早く相談してほしい

私は、

早く家を売ってほしい

と言っているのではありません。

早く任意売却を決めてほしい

とも言っていません。

私が申し上げたいのは、

早く、今の状況を知ってほしい。

ということです。

今、どの段階なのか。

あとどれくらい時間があるのか。

家はいくらなのか。

住宅ローンはいくら残っているのか。

売らずに済む方法はあるのか。

任意売却が必要なのか。

まず、それを知る。

決めるのは、その後です。


誰に任せるかで、時間の使い方も変わります

時間が少ないときほど、

誰に任せるか

が大切になります。

ただ不動産を売る人なのか。

債権者との調整を経験している人なのか。

税金の問題が出たときに動ける人がいるのか。

法律の問題が出たときに相談できる弁護士がいるのか。

登記や権利関係の問題が出たときに司法書士と連携できるのか。

一つ問題が出るたびに、相談者が自分で専門家を探していたら、それだけでも時間がかかります。

だから私は、

一人の人だけではなく、その人の後ろにどんなチームがいるのか。

そこも見てほしいと思っています。

任意売却は、誰に任せるか|私なら、こういう基準で選びます


私たちに決められないこと

時間があれば何でもできる、という話でもありません。

次のことは、

私たちだけでは決められません。

  • 任意売却に応じてもらえるかどうか
  • 売出価格
  • 引越し費用を確保できるかどうか、その金額
  • 残債の返済方法
  • 税金の差押えを解除してもらえるかどうか
  • 買主がいつ現れるか
  • 法的整理が必要かどうか

時間があっても、約束できないことはあります。

だから、

「絶対に間に合います」

とは申し上げません。

でも、

時間があれば、できることは増えます。

そこは、はっきり申し上げられます。


もし、裁判所から書類が届いているなら

今日、していただきたいことは一つです。

その書類を捨てずに、そのまま持ってきてください。

全部読まなくて構いません。

意味が分からなくても構いません。

封筒ごとで構いません。

まず、日付を確認します。

そこから、

今どこにいるのか。

あとどれくらい時間があるのか。

何から始めるのか。

一緒に整理します。


最後に

任意売却は、

時間との勝負です。

でも、

誰より早く契約する競争ではありません。

できるだけ多くの選択肢を残すための、時間との勝負です。

早く相談したからといって、

家を売ると決める必要はありません。

任意売却すると決める必要もありません。

まず、自分がどこにいるのかを知ってください。

そして、

誰を味方につけるのかを決めてください。

そこからです。

急いでいただきたいのは、決断ではありません。

まず、味方を見つけること。

それだけです。

住宅ローンが払えない。30年以上、そんな方を見てきた私ならこうします。

一般社団法人 士業会 代表理事
株式会社エルライフ 代表取締役
松本 淳一

不動産の仕事に携わって40年近く。住宅ローンの返済に困った方のご相談に携わって30年以上になります。


よくあるご質問

Q1. 任意売却は、どれくらいの期間が必要ですか。

一律には言えません。

物件、債権者、差押えの有無、競売の進み具合、買主が見つかる時期などによって変わります。

だからこそ、「何ヶ月あるか」ではなく、自分の場合の期限から逆算することが大切です。


Q2. 競売開始決定通知が届いたら、もう遅いですか。

通知が届いたことだけで、

一律に「もう遅い」とは言えません。

ただし、

競売手続きはその後も進みます。

届いた書類の日付を確認し、

早めに今の状況を整理してください。


Q3. 開札日までなら任意売却できますか。

「開札日までなら必ず大丈夫」とは言えません。

任意売却には、

買主探しだけでなく、

債権者等との確認・調整や、

売買契約・決済の準備なども必要だからです。

開札日だけを見るのではなく、必要な手続きを終える時間から逆算してください。


Q4. その日に媒介契約を求められたら、断ったほうがいいですか。

それだけでは判断できません。

「なぜ今日動く必要があるのですか」

と聞いてください。

具体的な期日と、

そこまでに必要な手続きを説明できるかどうかを見てください。


Q5. まだ住宅ローンを滞納していません。相談するのは早すぎませんか。

早すぎません。

むしろ、

滞納前のほうが検討できる方法が多い場合があります。

売却するかどうかを決める相談ではなく、

今の状況を確認するための相談で構いません。


Q6. 他社にも相談してから決めてもいいですか。

もちろん構いません。

ただし、

比較すること自体が目的になって、

時間を使いすぎないようにしてください。

大切なのは、納得して任せられる相手を見つけることです。


Q7. 相談したら、その場で契約しなければいけませんか。

いいえ。

相談しただけで、

依頼したことにはなりません。

ただし、

残された時間が少ない場合には、なぜ早く動く必要があるのかを説明することがあります。

その説明を聞いたうえで、

ご自身で判断してください。


まとめ

  • 任意売却は時間との勝負
  • ただし、早く契約する競争ではない
  • 時間があるほど、選べる方法・調整できる方法が増える
  • 任意売却は、買主を見つければ終わりではない
  • 債権者との調整、価格確認、配分、差押え等の調整、契約、決済がある
  • 競売手続きは、こちらが考えている間も進む
  • 「あと何ヶ月」ではなく、具体的な期日から逆算する
  • その日に媒介契約をお願いすることもある
  • 重要なのは、なぜ今日動く必要があるのかを説明できるか
  • 急ぐことと、焦って決めることは違う
  • 「一度考える」なら、何に迷っているかを整理する
  • 比較する会社の数より、納得できる相手を見つける
  • 時間が少ないほど、誰に任せるか、その人の後ろにどんなチームがいるかが重要
  • 早く決めてほしいのではなく、早く今の状況を知ってほしい
  • 急いでほしいのは決断ではなく、味方を見つけること

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早く家を売ってほしいと思っているのではありません。

早く任意売却を決めてほしいと思っているのでもありません。

一番お伝えしたいのは、

早く、今の状況を知ってほしい。

ということです。

任意売却は、

時間との勝負です。

でもそれは、

誰より早く契約する競争ではありません。

できるだけ多くの選択肢を残すための、時間との勝負です。

時間があれば、

売らずに済む方法を考えられるかもしれません。

価格を確認する時間があります。

家族と話す時間があります。

債権者と調整する時間があります。

買主を探す時間があります。

条件が合わなければ、

もう一度考える時間があります。

必要なら、

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時間は、そのまま選択肢です。

だから、

「まだ大丈夫」

で終わらせず、

「私は今、どの段階なのか」

「あとどれくらい時間があるのか」

「いつまでに何を終わらせる必要があるのか」

そこまで確認してください。

そして、

急いでいただきたいのは、決断ではありません。

まず、自分の味方を見つけること。

そこからです。

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どこの会社に相談するのかだけではなく、誰を自分の味方につけるのか。

そして、

その人の後ろに、どんな仲間がいるのか。

そこまで見てください。

その判断材料として、

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